京都府立医科大学 ワークライフバランス(WLB)支援センターみやこ

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医学科第4学年総合講義のご報告

医師がワークライフバランスをとりながらキャリアアップしていくには心身の健康だけでなく性の健康も欠かせないと考え、令和5年11月13日第4限に本学医学部医学科第4学年にむけて、『医師のキャリアアップとワークライフバランスのための、こころ・からだ・そして性の健康づくり』という総合講義(臨床倫理学)を行いました。

「医学生として、自身のこころ・からだ・性の健康について解剖生理学・助産・産婦人科の専門家から学び、それらの健康保持増進を実践できる」ことを教育目標として、外部講師3名をお招きし、それぞれの立場からのご講演後、パネルディスカッションを行いました。

学生からは「HPVワクチンの接種を検討する」「性教育の大切さがわかった」「自分の人生についてしっかり考えるきっかけになった」「医師として以前に人としてとても重要な内容だった」「大学であまり扱われない内容で、初めて知ることが多かった」などの感想が寄せられました。

座長:東あかね(ワークライフバランス支援センターみやこ アドバイザー)

講演1 河田光博先生  1977 年卒業 本学解剖学教室名誉教授、京都岡本記念病院教育担当顧問
『性』を基礎医学・脳科学から考える ―性ホルモンと社会―
「性」は生物学的なセックスと、社会・文化的なジェンダーに分けて議論されてきた。基礎医学の観点での生殖機構のメカニズム、「月経」の社会的意義や歴史的考察、さらに性スペクトラムについて脳科学的な知見を紹介し、医学生がサイエンスを基盤として「性」を考えるきっかけを提示していただきました。

講演2 渡邉安衣子先生  助産師・性教育講師 株式会社 PLATICA 代表取締役、京都あいこ助産院院長
医大生に伝えたい我が国の性教育の現状
25年の現場経験をもつ性教育の専門家として、日本で性について語りにくい現状を分析し、科学的な学びの保障と、豊かなコミュニケーションがとれる社会になるために今後どうするべきかを、海外の性教育や国際的な取り組みの紹介を通して、わかりやすく語りかけていただきました。

講演3 亀井沙織先生  2007 年卒業 足立病院 産婦人科医師
医学部に入ったら終わりじゃない!これからの人生を自分らしく生きるために、一先輩より
知識さえあれば防げる「子宮頚癌と思いがけない妊娠」から女性を守るために、HPVワクチン接種の推奨とご自身の人生の転機となった出来事から得られたいくつもの学びについて話していただいた。3 人の子育てをしつつフルタイムで働く産婦人科医の言葉に皆が引き込まれてました。